手書き旬のアラカルトMenu by 平石

アルベロネロオーナー黒木です。レストランには料理、サービス、ワイン、空間...お客様に快適に過ごして頂く為のいろんな要素があると思っております。今年2019年2月に三田のイゾラデルノルドから引っ越し、コース料理を主体にやってきたのですが。深夜帯含め、常連近隣のお客様からのアラカルト要望も増えまして、有難いことに厨房も前向き協力的で去年秋からアラカルト開始しました。


*レストランは何故アラカルトをやるのか?...

コースもやりつつのアラカルトというのは結構それはそれで仕入れ→仕込み→メニュー(紙・Web)の書き換え、....etc.仕事が盛りだくさんで増えていきます。その日の仕入れで「コースのみ」のレストランって多いと思うのですが。あれはあれでお客様(にも当然我々)にもたくさんメリットがありまして。その最たるものは「今一番美味く旬の食材をメニューに縛られず効率的に提供できる」ということに尽きるかと思います。

特に印字した紙のメニューなどがあると、簡単には変えられないし、不漁や天候不順でもモノが普段より高いけど仕入れが必要....という風に変に自分らが作ったソレに縛られることになってしまいます。


日本は四季折々、周辺も海に囲まれてて、流通も最高、本当に美味しいものが良い意味で日々変化する国です。私も海外で10年レストランをやってました経験からすると、本当に素晴らしい環境(国)だと思います。レストラン冥利に尽きます。だからこそ選択肢が豊富で。言い方変ですが、いろんなメニューが組めちゃうんです。


話題のグランメゾン東京(カンテサンス さんが監修なので)メニュー持ってきて「ドーンと白紙」という。お苦手だけをお客様にうかがうスタイル。あれは本当に作る方、食べる方、双方にメリットのある究極の形なのだと思います。私も3回ほど行きましたが、初回はびっくりしますよね。正直、どのレストランもやりたい形です。例えばコースの中の一品に絡む食材が不漁で取れない、物自体が良くない。でもメニューが白紙であれば、臨機応変、代わりの食材で「今ベスト」を補うことが可能です。なんならお客様にそういうトラブルがあったことすら気づかせないで済みます。例えばメインに鳩と鶉があったとして。お客様に選択させなければ鳩と鶉が注文で混在せず、鳩出し切った後に鶉で良いわけです。日本のお寿司屋さん文化なんて、作り手に100%任せる信頼関係から成り立つそういう粋なスタイルですよね。


じゃあ何故全てのレストランがそのスタイルにならないか?その理由は一つだけ。ほとんどの店が「その提供方法(コース1つのみ全部お任せ)だけでは、毎日満席にできない。」からです。我々もそうですが、知名度や実力、信用度が足りないから。まだまだ全てのお客様にそこを任せて頂けない、許されないからです。我々の場合、もう一つの理由としては「パスタとワインだけちょっと食べたくて!」とか、「ワインだけ。」そういうお客様を大事にしたいという気持ちも正直ございます。前置きが長くなりました。話を元に戻します。(笑)


そのような理由で弊店もアラカルトMenuを置くことになりました。

っで。次は「どういうアラカルトを置くか?」っという問題です。うちでは「定番」と「旬」の二つに分けることにしました。これは直ぐに決まりました。「定番」は、うちで一番支持頂いてるT骨ボーン、馬刺し、トリッパなどです。こういうメニューは季節で仕入れが変わりません。年中あるし、比較的日持ちもする食材です。なのでこれはテキスト(印刷、固定で)「炭焼きTボーンスビステッカ 」とか「トリッパのトマト煮込み」とかそんな感じで。普通ですね。


困ったのは「旬」の方です。魚介・ジビエ・お野菜、ヨーロッパからトリュフなども...調理法は色々ありますし、焼いたり、揚げたり、煮たり、パスタにしたり、メインに添えるとか、サラダミストに入れちゃうとか、もう「定番」のようにテキストで書ききれないですし、書いたとしても非常に煩いメニューになってしまいます。全部書いたら、もうお客様もウザくて目が回るかと。(笑)でもコースで使う「旬」をアラカルトでもご提供したい。さてどうしよう!?一度は紙印刷メニューを諦めて、Webだけにしました。店とすると更新も簡単です。お席に着いて頂いた時に、紙メニューにはご提供するのですが、QRコードだけ。それを携帯で確認いただくというスタイルです。私は世紀の大発見だと狂喜乱舞したのですが、これはもう、非常ぉ~に不評でした。理論や利便性とかではなく、結果だけで言うと….「レストランにはある程度のアナログ感が必要」だと言う結論でした。理由はわかりません。携帯で見れたら便利だと思ったのですが…大失敗でした。(苦笑)あっ、許容頂けたお客様もいらっしゃいます!


話は元に戻します。<「旬」の食材をアラカルトでもご提供したい。さてどうしましょう!?>でした。私はやると言うだけで簡単なのですが、現場でやる方は本当に大変です。私もこの業界で仕事するようになって15年ほどですが。日本(東京)の場合、食材もワインも選択肢が多い。知識技術がある人材も居るのでやりたいことも増える、ただそこに合わせるお客様に許容頂けるオペレーションは限られる。長い前置きでしたが、よーーやく今回の本題です。


それを解決してくれたのが、うちに入って2年目の紅一点の平石です。彼女はカフェでバリスタを経験し、レストランはうちが初めてでした。入店当初はレストランとカフェのサービスの違いに戸惑っている様子でしたが、イタリア研修を経て、店舗での研鑽を積み、著しく成長を遂げてくれました。今では自信過剰なくらいに(笑)落ち着いて、緊張せずに、お客様とも会話もできるようになり、毎日頑張っております。


彼女は「私が旬を絵に描きましょう!足りない部分は口頭でどうでしょう?」という提案をしてくれました。私としては直ぐに効率を考えるタイプでして。「そんなのできるの?」「非効率じゃねえ?」っと。ただ前回は私が効率を求めた結果不評なメニューになりました。食材が変わる度に、Menuの絵を描く。まあ考えただけで、非常に非効率です。でもやってみると凄くこのMenuが温かく好評なのです。私自身も大好きです。皆さん馴染みのレストランに足を運ぶ理由は色々あると思います。その小さな理由の一つになれれば、この上ないですね。「春だな〜、アルベロそろそろ何か?入ったかな?」そんな感じで。(笑)

こんなやり方はメンバーから提案してくれないと、私が押し付けるわけには行きません。「食材変わる度に絵を描け!」今の時代すぐパワハラです!本当に店としては大変有り難い提案でした。


去年秋から彼女が書き出した絵のメニューがこちらです。一番上はなんと今日からの「最新メニュー」です!っでその後、2番目上から下に時系列に従って時間の経過と共に並べました。なんだかどんどん腕が上がってる気がします。(笑)皆様如何でしょう?一年溜まると、日本のすべての使用した旬が揃いますね。ちょっと今はそれが楽しみです。


<本日3月11日からの最新menu>



<懐かしい初回第一回Menu>


































絵のことばかり触れましたが、平石はコーヒーが抜群に美味いんです。牛乳系はもうその辺のカフェには負けてないかと。是非そちらもご賞味くださいませ。長文で失礼しました!



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