白ワイン好きは絶対外せないイタリア白ワインの銘醸地「アルト・アディジェ」

素晴らしい白ワインができるわけ。。。
【アルトアディジェの地理的特徴】
アルプスの山間と言われると寒いイメージを持つが、アルプスが北風を遮り、地中海からの温かい空気が渓谷を縫うように入り込むため、低地では気温が上がりやすいという気候条件です。
加えて、切り立った崖のような山々が連なる特殊な地形のため、近距離に標高の違う畑が点在しているので、それぞれの土壌や気候に合わせて最適な葡萄を植えてきた結果として、非常にバラエティーに富み、個性の際立ったワインが生まれる、気候的にも地形的にもワイン造りにとって優位性を持つ地域なのです。

また、この辺りは小さな畑のみで葡萄を育てる小作人(もしくは副業としての葡萄農家)が多い。その葡萄を買い取り、村単位で協同組合を作り、ワインを販売していくのがアルトアディジェのワイナリーを形成している。
協同組合というと、葡萄を大量に買い込んで「たくさん作って、たくさん売る」というイメージがあるが(ワインに限らず、協同組合は大抵そうかも…日本も含め。)
この地域の特筆するべき点は、葡萄の品質に価格をつける←つまり、たくさんの大量の葡萄を造るより、少量の高品質な葡萄を造った方が儲かるというシステムを敷いている。
当然、小さな畑であれば高品質な葡萄を作った方が良いわけで。これは葡萄農家も気合を入れて良い葡萄を作りますよね。
品質の良いワインを作る→評価を得る→高く売れる→仕事にプライドを持つ→品質を維持する努力を続ける→品質の良いものが出来る→さらに評価を得る…
その循環が素晴らしいワインを産むことは、アルトアディジェの世界的な評価が上がり続けていることで証明されています。
標高1000メートル以上の高地にも畑がある。
標高の高さは気温の低さに比例する為、比較的冷涼な気候を好む葡萄には最適なものとなる。さらに他の山に囲まれていない分、山々に囲まれた盆地より長い日照時間に恵まれる。
たっぷりと降り注ぐ日照量と一日の中で変わる寒暖差。これによって葡萄はゆっくりと、香りや味わいの成分をその一粒一粒に蓄えながら、完璧に熟すことができるのです。
そんな素晴らしい素質を持った畑がいたる所に点在しているため、生産者の違いによって、また畑によって、品種の違いや味わいがワインになった時に個性として顕著に出てくるので、非常に面白い産地と言える。そして味わいがクリアなので「味」として認識しやすいのは日本人の味覚にマッチしているのではないでしょうか。

【アルトアディジェの地域別特徴とおすすめのワインを。】

■Colli di Bolzano(コッリ・ディ・ボルツァーノ)
■Santa Maddalena(サンタ・マッダレーナ)
アルトアディジェの中心部、ボルツァーノの街周辺の地域。標高が低く、熱が溜まりやすい盆地の土地形状。暖かさが必要な黒葡萄に最適の土地。
フローラルな香りで軽やかな味わいのワインを生み出す「スキアーヴァ」重厚で凝縮した味わいを持つ「ラグライン」、その2種をブレンドし、スキアーヴァの飲みやすさとラグラインの後味に感じる力強さでバランスを取る「サンタ・マッダレーナ」自分の好みで選べるのも楽しい。
一方、白ワインは果実味豊かで膨らみのあるワインが生まれる。火山岩が混じるこの土地のワインの特徴として現れるグリップのある硬質なミネラリティーは、優しい味わいのお料理というよりは、チーズやと相性が良くなってくる。
赤はラグレイン、白は力強いヴァイスブルグンダー(ピノビアンコ)がおすすめ。
<お勧めワイン>
Dellago (Cantina Bolzano)
Lagrein “Taber” (Cantina Bolzano)

■Terlano(テルラーノ)
■Lago di Caldaro(ラーゴ・ディ・カルダーロ)
アルトアディジェの南端。南からの温かい空気が入ってくるため、日中は温暖。夜になると周囲の山から冷たい風が降りてくるため、この寒暖差が香り高い葡萄を育む。
この地が原産とされているゲヴュルツトラミネール、ボリュームのあるソーヴィニヨンがおすすめ!
<お勧めワイン>
Nussubaumer(Tramin)
Korbenhof Gwwurtztraminer (J.Hofstätter)
St-Valentin Sauvignon (San Michele Appiano)


■Valle Isarco(ヴァッレ・イサルコ)
アルトアディジェでも最北の地区。すぐ北側にアルプスの山々がそびえる。
流石にここまでは南からの温かい空気が入り込まないので、基本的には冷涼な地区。
冷涼な気候を感じる、クリーンで酸の高いワインが造られるのが特徴的。
ドイツやオーストリア系の白葡萄ケルナー、リースリング、シルヴァネールなど、口の中に清涼感を感じさせるワインがお好きなおすすめ!
<お勧めワイン>
Kerner (Strasserhof)

■ Venosta(ヴァル・ヴェノスタ)
アルトアディジェの西の北限。山々に囲まれた非常に狭い産地。クオーツをはじめとする鉱物類が豊富に含まれる土壌と冷涼な気候から生まれる、透明感のある味わい。
果実味が控えめなので、特に品種の香りが分かりやすく出てきます。アルコールのボリュームをあまり感じないので、スルスルと喉を通った後に残る香りが心地よいエレガントなワインが多いですね。
エレガントなワインがお好きな方は気に入っていただけるのでは?
透明感のあるリースリングとブラウブルグンダー(ピノ・ノワール)が素晴らしい!
<おすすめ>
Riesling (Falchenstein)
Blaubrugunder (Falkenstein)

【アルトアディジェワイン生産者協会HPより】
◆高低差による温度差と日照時間
◆温度(・北からの冷気をアルプスが遮断され南からの温かい空気が入り込む・標高の高さによる冷涼な気候)
◆川の影響(山を侵食して造られた地形・運ばれてくる成分・川の近くか近くにないのか)
→地質は極めて複雑なモザイク模様を呈する。(これは厄介なことではなく、一つの地域でたくさんの味わいに会えるということ!土壌や日照条件など、畑の条件によって適する葡萄を植える)
◆地質…原始の海底の成分が氷河によって削り取られ流れて堆積する(モレーン:氷堆石)、石灰粘土質、150以上もの鉱物が地中にある。アルトアディジェの畑ではそれらが各所に見らる
→畑に適した葡萄を植えることで、20以上の個性に違う葡萄でもそれぞれ成功を収めている。
みなさまの好みのワインが必ず見つかる地域です。
特に白ワイン好きには色々とお試しいただきたいイタリアワインの銘醸地です!